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エクセルを使ったモンテカルロ・シミュレーション

第14回 エキゾチック・オプションのプライシング例 (その1)

 1. はじめに

ここまでずっとモンテカルロ・シミュレーションの説明をしてきましたが、正直なところ、モンテカルロ・シミュレーションのやり方についてはよく分かっても、モンテカルロ・シミュレーションの必要性については、いまいちピンと来てないという方が多いのではないかと危惧しています。

だって、ここまでの例はほとんどすべて、理論的に正解が別にちゃんと分かるものとか、他の代替的な方法でもほとんど同じ結果になるとかいった例ばかりでしたから。

そこで、この講座の最後に、「これこそモンテカルロ・シミュレーションが必要だ!」という例をご紹介して終わりたいと思います。いわゆる「アベレージ(アジアン)・オプション」「ルックバック・オプション」といったエキゾチック・オプションのプライシングをモンテカルロ・シミュレーションでやってみようというのです。

 2. プライシング対象オプション

今回プライシングの対象とするのは、以下の2つの通貨オプションです。
両方とも、行使価格が満期までの複数の時点での為替レートに基づいて決まるという点にプライシング上のポイントがあります。ただし、権利行使は満期時のみなので、その点では「ヨーロピアン・オプション」に分類されます。

(1) アベレージ・オプション
 コール/プット : コール
 満期 : 1年
 行使価格 : 毎月末のドル円為替レートの平均値

(2) ルックバック・オプション
 コール/プット : コール
 満期 : 1年
 行使価格 : 毎月末のドル円為替レートの最小値
※いずれも、行使価格の決定には現在の為替レートは含まないものとします。

<前提条件>
 現在のドル円為替レート : 1ドル = 80 円
 円金利 : 0.2%
 ドル金利 : 0.5%
 ボラティリティ : 10%


 3. 原資産価格のパスの作成

まず、プライシングの基本的な考え方を説明しますと、原理はプレーンな通貨オプションの場合と全く同じで、「リスク中立経済下におけるオプションの将来価値の期待値」を現在価値に引き直せばよいのです。

問題は、オプションの行使価格が為替レートの満期までの価格推移に基づいて決まるため、到底、オプション価値の期待値が解析的には求まりそうもないことです(ルック・バック・オプションの場合、行使価格を求める条件によって解析的に解ける場合もあります)。

そこで、モンテカルロ・シミュレーションの出番です。
シミュレーションによりオプション価値の平均値を求め、それを現在価値にすれば、リスク中立評価法の原理からほぼ正しい値になっているはずです。

ただ、満期時のオプション価値を計算するためには、オプションの条件から、満期まで1ヶ月ごとの為替レート情報が必要です。 したがって、プレーンなオプションの場合と違い、1ヶ月ごとの為替レートを出力していくようなシミュレーションが必要になります。

後は、基本となるモデル式の形やリスク中立確率下における μ の設定など、すべてプレーンな通貨オプションの場合と同じですから、 すぐにシミュレーション結果をご紹介しましょう。

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