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コーポレートファイナンス用語辞典
フリー・キャッシュフロー(Free Cash Flow)
フリー・キャッシュフロー(Free Cash Flow:FCF)は,コーポレートファイナンスのキーワードであり,キーコンセプトである。
近年では,キャッシュフロー経営という語が頻繁に用いられる。企業価値を定量的に評価する際の評価項目は FCF である。企業価値の持続的向上のためには, FCF を意識した経営を行う必要がある。このように, FCF は現代の企業経営を理解するうえで必須の用語や概念にもなっている。
一般的に, FCF は次のように定義される。
FCF のベースは営業利益と減価償却費である。減価償却費は損益計算では費用計上されるが,キャッシュは流出しない。専門的には,営業利益と償却費の和を EBITDA(Earnings Before Interest, Tax, Depreciation and Amortization) という。設備投資と正味運転資本(売上債権+棚卸資産-買入債務)は,当期に費用計上されないが,キャッシュの支払いが生じる項目である。
下記はアメリカの有名な MBA で用いられる講義資料からの抜粋である。
EBIT(Earnings Before Interest and Tax) は税引前営業利益と解釈してよい。 Depreciation は減価償却費, ΔNWC は正味運転資本(Net Working Capital)の増加, CAPX は設備投資等資本支出(Capital Expenditure)を意味する。上で定義した FCF と同じ 4 項目を用いていることが分かる。 FCF を構成する主要 4 項目は,グローバル・スタンダードである。
概念的には, FCF は企業活動の継続に必要な資本(運転資本,設備投資)を再投資した後の余剰資金であり,投資家に配分できるキャッシュといえる。企業活動からフリーという意味でフリー・キャッシュフローという。企業活動の成果として投資家に配分できるキャッシュといってもよい。投資家は,将来の FCF の配分を期待して,企業に資金を投資する。投資家は,リスク志向に応じて,大きく債権者と株主に分類できる。ローリスク・ローリターン志向の投資家は債権者,ハイリスク・ハイリターン志向の投資家は株主である。
下の図は,企業と投資家の間の資金の流れを示している。
(図)企業と投資家:資本投下とFCF(成果)
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