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デュレーションってなんだろう
第3回 デュレーションの求め方 (その3)
4. 修正デュレーション(つづき)
ここで、多くの読者が素朴な疑問として、では何故 を修正デュレーションとしないのかという疑問を感じるかもしれません。残念ながらその理由は筆者にも正確なところは分かりません。
デュレーションというのはいろいろな金融理論の中でもかなり昔から知られていた概念で、しかも歴史的には次回ご紹介するマコーレー・デュレーションを嚆矢(こうし)とすると言われています。 「修正」デュレーションとは、この講義で最初に説明した基本デュレーションの修正ではなく、マコーレー・デュレーションの修正なのです。
次のマコーレー・デュレーションの内容を理解されて、この由来の話や、 だと、値が負の値になってしまい、指標値としては使いにくそうだといったことを考えていただくと、なぜ修正デュレーションが ではなく、 なのか、という点について何となく合点が行くかと思います。
先ほど(基本)デュレーションを計算した利付債(期間3年、クーポン 3.0% 、利回り 2.0% )について、
修正デュレーションを計算してみると、
(基本)デュレーション : -294.006
価 格 : 102.884
より、
修正デュレーション = -(-294.006 ÷ 102.884) = 2.858
という値になります。
この値で価格変化率を近似してみましょう。例えばこの債券の利回りが 2.0% から 2.2% に上昇したとしましょう。そのとき価格は(ご自分で計算してみてください) 102.298 になります。
このとき、価格変化率は
102.298 ÷ 102.884 - 1 = -0.57%
となります。
修正デュレーションの値が 2.858 ですから、これを使って価格変化率を近似すると
-0.002 × 2.858 = -0.572%
となり、真の価格変化率(端数処理しないと -0.569% になります)とかなり近い値になることが分かります。
投資において、投資商品の何を見るかと言えば、投資商品の価格変化ではなく、価格変化率あるいは収益率だということができます。デュレーションにはいろいろな種類がありますが、こういった観点から、こと投資においては、一般的に最も重要なデュレーションが、この修正デュレーションだと言っていいでしょう。
次回は歴史的にはデュレーションの始祖ともいえる「マコーレー・デュレーション」を紹介し、この概念の投資における意味なども見ていきたいと思います。
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