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デュレーションってなんだろう
第4回 マコーレー・デュレーションの意味 (その1)
1. はじめに
今回は、各種デュレーションの始祖とも言える「マコーレー・デュレーション」について紹介していきます。デュレーションの始祖と言っても、それはあくまで歴史的なもので、意味的には一般にマコーレー・デュレーションは「債券投資の平均回収期間を表す値」などと説明されますので、ここまで紹介した2つのデュレーション値とは少々毛色が異なります。
しかし、債券投資の平均回収期間という概念は、債券投資を理論的に分析した場合、実は重要な意味を持つので、マコーレー・デュレーションもこれまでの2つのデュレーションと同様非常に重要な意味を持つ値です。
では本題に入りましょう。まずは、具体的な求め方から・・・
2. マコーレー・デュレーションとは
マコーレー・デュレーション(Macaulay Duration) は、一般に 「債券投資の平均回収期を示す」もの である、というような表現がされます。
そういう意味では、ここまで登場してきたデュレーションが、いずれも利回り変化に対する「感応性」に関するものであったのと比べ、若干毛色が違うような印象を受けるかもしれません。しかし、実は世の中で、「デュレーション」という言葉が使われる場合、一番多いのは「マコーレー・デュレーション」を意味しているケースです。その理由は前回申し上げたように、歴史的に「マコーレー・デュレーション」がいろいろなデュレーションの一番初めということが大きいと思いますが、意味的にも投資において非常に重要な意味を持っています。
ただ、マコーレー・デュレーションの場合、式を見ても何故これが「平均回収期間」を示すのかという点が分かりにくいので、そのあたりから説明していきましょう。
まずは計算式をご紹介し、その意味について考えてみましょう。
マコーレー・デュレーションは実は修正デュレーションと非常に近い値になることが多いのです。というのも、マコーレー・デュレーションと修正デュレーションとの間には
マコーレー・デュレーション = (1+利回り) × 修正デュレーション (※)
※利回りが半年複利ベースのときは (1+利回り / 2)×修正デュレーション となります。
という関係があるのです。
マコーレー・デュレーションの計算式は具体的には以下のような式になります。
償還 n 年後、クーポン C% (1年払い)の債券について、
マコーレー・デュレーションを求める式
…… (1) 式
上の(1)式で計算される値が債券投資の「平均回収期間」を意味しているというのですが、どういう観点からそういう説明がされるのかお分かりいただけますか?
ちょっとピンと来ないという方も多いと思いますので具体的をとって説明してみましょう。
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