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デュレーションってなんだろう

第7回 ポートフォリオのデュレーション (その3)

 3. ポートフォリオのデュレーション

さて、ではこれから実際の実務のデュレーション利用例を見ていきますが、その前に知っておかねばならない前提知識として「ポートフォリオのデュレーションはどう把握するのか」という問題があります。ここまで個別債券のデュレーション計算方法はご紹介してきましたが、債券ポートフォリオ全体でのデュレーションをどう計算するのかについては未だご紹介していません。

ここで、ポートフォリオ全体でのデュレーション、より具体的にはポートフォリオの修正デュレーションの計算方法をご紹介しておきましょう。


今、話を簡単にするため、債券ポートフォリオが二つの債券AとBから構成されているとしましょう。この場合、ポートフォリオ全体の価格変化率を R 、債券Aと債券Bの価格変化率を RA 、 RB とし、債券Aと債券Bのポートフォリオ全体に占める時価ウェイトを WA 、 WB とすれば、以下のような式が「一応」成り立ちます。

figure …… (1)

そして、債券Aと債券Bの価格変化率 RA 、 RB は、それぞれの利回り変化を ΔrA 、 ΔrB 、修正デュレーションを DmA 、 DmB とすると、

figure
figure

のように近似表現できますから、これを上の (1) 式に代入する事で、

figure …… (2)

として、ポートフォリオの価格変化率の近似表現ができることになります。


ただ、このままであれば、ポートフォリオを構成する各債券の修正デュレーションと、ポートフォリオの価格変化率の関係が示されただけで、「ポートフォリオの修正デュレーションはどう求めるか」という最初の疑問の答えにはなっていません。

そこで、ポートフォリオを構成する債券Aと債券Bの利回り変化が同じ、すなわち figure と仮定します。すると、上の (2) 式は

figure …… (3)

となります。

一般に (3) 式の最後の ( ) の中の値、すなわち figure を、ポートフォリオの修正デュレーションと呼びます。

つまり、

ポートフォリオの修正デュレーション
 = Σ(各債券の時価ウェイト × 各債券の修正デュレーション)

です。

このようにポートフォリオの修正デュレーションを定義すると、 (3) 式は、個別債券と同様、

ポートフォリオの価格変化率 ≒ -(利回り変化)×(修正デュレーション)

という関係を表していることになります。

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