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エクセルを使ったモンテカルロ・シミュレーション
第6回 シミュレーションによる債券 VaR (その2)
3. シミュレーションの実行と結果の整理
前ページの設定に基づき、期待値ゼロ、標準偏差 0.0003(=0.03%) の正規分布に従う乱数を発生することにより、 Δr の実現値を生成します。 Δr の実現値が得られれば、 ΔP の実現値は、(1)式及び(2)式に従って計算します。表 1 は前回と同様に 10,000 回のシミュレーションを行った例です。
表1: シミュレーション例
B 列の各セルで Δr を生成しています、 C 列には、隣の B 列で生成した Δr に基づき、(1)式、すなわち
Δr × デュレーション
で計算した の近似額が計算されています。
D 列には、(2)式からデュレーションによる近似計算部分を除いた部分、すなわち
0.5 × (Δr)2 × コンベクシティ
の部分が入力されています。
その隣の E 列には、これら 2 つの値の合計、すなわち(2)式による ΔP の値が入力されています。
具体的には、 B 列の各セルはどれも、「=0.0003*NORMSINV(RAND())」と入力され、 C 列、 D 列については、例えばセル C2 の計算式は「=G$3*B2」、 D2 の計算式は「=0.5*G$4*B2^2」です。 C 列、 D 列の他のセルはこれらの式をコピー&ペーストすればでき上がりです。 E 列は C 列、 D 列の値を足し合わせています(例えばセル E2 では「=C2+D2」)。
なお、シート作成時には前回と同様に「計算方法」は「手動」設定にしておくことをお勧めします(設定方法は第4回参照)。
第4回と同様な方法でシミュレーションした結果を G 列~ H 列に表示します。それぞれのセルに入力されている数式と意味は、以下の通りです。
信頼区間 99% の VaR を計算するセルは G10 と H10 で、 10,000 回のシミュレーションのうち下から 100 (セル G8 の値)個目を VaR として採用するために、「SMALL」という関数を用いています(既にご説明しました)。ここではシミュレーションの結果として、(1)式、すなわちデュレーション概念による近似的な価格変化表現に基づく VaR が -0.5054 円、(2)式に基づく VaR が -0.5035 円となりました。
もちろんシミュレーションですから、結果は計算の度に異なり、皆さんの計算結果とは必ずしも一致しませんが、似たような値が得られるはずです。
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