- Home >
- ストラクチャード・ファイナンス用語辞典 >
- 倒産隔離
【シグマの新刊本】Excelを使いながら、基礎を身につける。
ストラクチャード・ファイナンス
EXCELによるキャッシュ・フロー・モデリング
ストラクチャード・ファイナンス用語辞典
倒産隔離
倒産隔離(Bankruptcy Remoteness)とは、証券化(Securitization)に際して、資産の所有権者とSPCそれぞれの倒産リスクを回避するための手立てを講じることです。
証券化を行う場合、一般的には、資産の所有権者(Originator:オリジネーター)が、SPC(Special Purpose Company:特別目的会社)に資産を売却します。この売却された資産を担保にして多数の投資家にABS(Asset Backed Security:資産担保証券)を売却することになります。
投資家は、資産の信用力・収益力に着目して投資します。ここで考慮しなければならないのは、以下の2点です。
- 資産所有者が倒産した場合に、SPCが影響を受けないようにすること
- SPC自体が倒産しないようにすること
この倒産隔離は、証券化を行う場合にもっとも注意しなければならない点です。
資産所有者が倒産した場合、債権者としては、保有している資産を差押さえ、売却して債権を回収するのが常です。このような場合に、証券化された資産が差し押さえられると投資家には多大な損害が発生します。
そこで、証券化を行う資産をオリジネーターの財産からしっかり分離して、仮に倒産した場合でも債権者から資産の差押えが行われないようにする必要があります。また、SPC自体が倒産すると、資産が生み出す利益を得ることが出来なくなり投資家に損害が発生します。そこで、
SPC自体が倒産しないようにするための手当てが必要となります。倒産隔離は、証券化の根幹をなす問題です。スキームに関しての法的監査(デューデリジェンス)が重要です。
【シグマの新刊本】Excelを使いながら、基礎を身につける。
ストラクチャード・ファイナンス
EXCELによるキャッシュ・フロー・モデリング
著作権・免責事項
- 「やさしい金融エンジニアリング講座」(以下、本解説集)の文章、図表などの著作権は、シグマベイスキャピタル株式会社に帰属しますので、複製・転載・引用・配布などは一切禁止します。
- 本解説集の利用により生じた損害はいかなる理由であれ、一切責任を負いかねますので予めご了承下さい。
- 本解説集は、予告なしに内容が変更・削除等されることがあります。
- 内容に対するご質問にはお答えすることはできませんので、ご了承下さい。