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金融エンジニアリング キーワード解説

無裁定理論

金融商品の理論価格、とくに金融派生商品の理論価格算出の基本となる考え方で「金融商品の価格は裁定取引を許さないようなものでなくてはならない」という考え方を言う。

裁定取引は、基本的に不合理な取引であり、裁定取引が現実に市場で可能になると、実際にそれが行われ、市場は裁定取引ができない状態へ速やかに収束していくことが観察される。よって、派生商品の価格を理論的に考える場合などは、裁定取引ができないような価格として考えよう、というのが無裁定理論の基本的な考え方である。

派生商品の価格などを考えるときに何故この理論が使えるかというと、派生商品というものは基本的に原資産との関係で価格、あるいはキャッシュ・フローが決まる資産であり、一般に原資産とその他の金利系の資産等を組合わせて保有することにより複製(実質的に同じもの)が可能と考えられるからである。裁定取引は原理的に言って、2つの資産の組合わせとして行われるので、基本的にこれが可能になるためには、将来同じキャッシュ・フローを生む現在価値の異なる資産、あるいは現在価値が同じで将来の同一時点で異なるキャッシュ・フローが確実に発生する資産が必要になる。

派生商品の上記のような性質から、複製ポートフォリオとの間でこのような裁定取引のスキームを考えることができ、よってその現在価値は複製ポートフォリオの価値と一致しなければならない、という考え方が適用できることになる。

それに対して、通常の金融資産、例えば株式などは、(その株式を原資産とする派生商品を使わないとすれば)それと同じキャッシュ・フローを生む複製ポートフォリオを考えることは難しい。よってプライシング原理として無裁定理論は基本的に使いにくいわけである。

関連項目
  裁定取引

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